こしょこしょ噺

好きなもののこと。育児のこと。あとはつぶやき。一姫二太郎を育てながらふらふら働いてます。

たとえ間違えても大丈夫だから

先日、娘にとって通算4回目のバレエ発表会がありました。遠方の学校に進学した関係でレッスンを続けることが難しく、今回の発表会をもって彼女は一旦バレエを卒業します。最後の発表会だという思いがあるからか、いつも以上に静かなやる気を見せる娘。私と一緒に朝からストレッチをして、身支度を整えて会場へと向かいました。

===

到着後、娘は楽屋へ、私はメイク担当としてそれぞれの持ち場につきます。今回私は地塗り(ベースメイク)と仕上げのリップ担当。よさこいチームで踊っていたときのステージメイク経験がそのまま応用できたので楽しくやらせてもらいました。メイクと衣装付けが完了した子どもから順次写真撮影を行い、軽く昼食をとってリハーサルへ。親も子どものサポートや楽屋受付等もろもろの準備の合間をぬって軽食をつまみます。

事前に会場を使ったレッスンはできないため実際の舞台を使って練習ができるのは当日リハーサルの一回限りです。開場までの限られた時間で、場当たりと通しをてきぱきと行っていきます。15時を過ぎたあたりで幼児~小1クラスのお子達が明らかに電池切れの様子。早朝からお昼寝なしで稼働しているから無理もない。笑顔が消え、動きもにぶりますが誰も脱落しない。よくがんばってる…!娘もリハーサル開始後ずっと固い表情でがんばっていましたが、フィナーレの最後の部分の入りのタイミング(※幼児クラスの子はフィナーレでの出番は少なく、最後に上手から登場してポーズしてフィナーレ終了となる。彼女は先頭の位置にいたので入りのタイミングをとる必要があった※)を間違えて最後のポーズに間に合わず、リハーサル後とうとう泣き出しました。「娘ちゃんが間違えたからだめだった」「今間違えたから本番ももう×なんだよ」と言いながら泣きじゃくる娘。他の子やお手伝いの先生方も沢山なぐさめてくれる中、私は彼女の背中をさするしかありませんでした。開場まで残り20分程度というタイミングでしたが、とにかく、今は悲しい気持ちを思い切り吐き出してもらえるよう祈りながら。ひたすら、背中をさすって、「本番の分まで全部今間違えられたんだよ。よくやったよ」と、つぶやくように声をかけていました。開場が近づき受付対応があった私はもうその場を離れなければならず、最後に娘をぎゅっとして、「間違える娘ちゃんも間違えない娘ちゃんもお母さんの誇りだよ。ここまで誰よりよく頑張ってきたことも知ってる。お客さんの席から見守ってるからね」と伝えてバイバイ。あとは受付をしながら祈るように開演を待ちます。

===

定刻通り開演。今回も保育園が一緒だったお友達が沢山応援に来てくれました。いざ幕が上がり舞台に登場した娘は、最初こそ少し表情がこわばっていたものの、舞台の上から客席のお友達を見つけたのか、途中から徐々に笑顔で踊れていました。涙ですっかり落ちたメイクもきれいに直してもらったようで、いいお顔。娘は体幹も柔軟性も高い方ではありませんが、音の早取りがなく正確にカウントを刻む動きができるのが長所だと私は思っていて、その長所を存分に発揮して一生懸命に踊れていたと思います。他の幼児クラスの子ども達も本当にかわいらしく、お姉さんクラスの人たちは昨年の発表会から表現力も柔軟性もぐっと向上していて、素敵なステージでした。

===

無事に終演し、来場者へのご挨拶や楽屋撤収が終わり会場を出る頃にはもう21時過ぎ。娘と二人晩ご飯を食べて帰ります。帰り道、自転車の後部座席から娘が小さな声で「お母さん、娘ちゃん今日どうだった?」とたずねてきました。「かんぺきだったよ。間違えたことも含めてかんぺきだった。よくやったよ娘ちゃん。みていてとても楽しい発表会だったよ。」と私。

===

よくもわるくも、私の性格を結構受けついでいる人だということを再認識した一日でもありました。完璧主義で、1つのミスがゆるせなくて、自分のことには絶望しがちで。でも娘と私の違うところは、そんな時励まして寄り添ってくれるお友達や大人がいること、そこからちゃんと気持ちを切り替えられること。そして、「間違えても大丈夫。失敗大歓迎」と日々伝えてくれる、トライ&エラーできる学校にいること。親が色々と欠落している人間なので家だけではどうにもならないことが沢山ありますが、家以外で力を貸してくれる環境が娘にはあるからきっと大丈夫。習い事に限らずこれからも緊張度の高いイベントがまだまだあるはずなので、その場に向けた彼女の振る舞いがどう変化し成長していくかも引き続き見守っていきたいです。

まずは4年間のバレエ、本当にお疲れ様でした!

f:id:skytwo:20240603093135j:image

おまけ:衣装の色味がSHINeeカラー♪