SHINeeの最新アルバム「Atmos」の全6曲に一言ずつ感想を述べる記録です。相変わらず音楽の知見は薄いので、主に各曲の歌詞を読み、音を聴いて感じたことや、コンサートでのこれらの曲のパフォーマンスを見て感じたことについて書きます(曲によって個人的な熱量が異なるため、感想の文字数にばらつきがありますがご容赦ください)。
「君は輝いて空気は軽くなる」と歌うテミンに始まり、「僕にはまだ物語がいっぱい」と歌うミノに終わる、SHINeeの良いところがぎゅっと凝縮された、大好きなアルバムです。メンバーそれぞれがソロとして忙しく活動する合間をぬって、3年分のコンサートのお約束付きでカムバックしてくれたことへの感謝の気持ちを込めて。

- 01. Atmos
- 02. HOURS
- 03. Possibility
- 04. Anti Believer
- 05. 소나기 (Still Raining)
- 06. Thousand Miles Away
01. Atmos
幻想的で、爽やかで切なくて、「애써 맞추지 않아(無理に合わせようとしない)」というサビの歌詞含めて、すごくSHINeeらしいタイトル曲。MVもすごく素敵で、岩井俊二の映画を彷彿とさせるような、自然の風景や光、音楽が駆使された映像美が印象的です。空気や大気を意味するタイトル通り、どこかつかみどころのない曲調は、一見すると流行りの「バズる」音楽とは対極にあるように思えます。しかし、一時のトレンドに無理に合わせるのではなく、SHINeeだからこそ表現できる独自の世界観を徹底的に貫いている。これこそが、彼らが18年間「コンテンポラリー・バンド」として輝き続けている理由であり、そんな彼らの実直な姿勢が、私はたまらなく大好きなのです。
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02. HOURS
アルバムリリース当初はタイトル曲のAtmosや、コンサートでの印象が強かったAnti Believerばかり聴いていましたが、その後私の中でじわじわと好き度が上がっている一曲。今回のアルバムの中で最もファンソングの要素が強い曲だと思いました。軽やかで明るい音と、何より歌詞がいい。サビの「시간은 째깍째깍 걸어가/바랜 낭만은 다시 돌아와 (時間はどんどん過ぎていく/色褪せたロマンは再び戻ってくる)」という歌詞は、例えばSHINeeとシャヲルのように、長い時間を一緒にすごしてきた関係性を歌っているからこそのフレーズだと思います。先月までの一連のコンサートやカムバック活動が終わって一抹の寂しさを感じているファンの心を慰めてくれるかのようです。日常のあれこれに明け暮れているうちにいつの間にか時間は流れて、次のお楽しみがまたやってくると、そう彼らに励まされているような気持ちになります。個人的には、「Giving you my」という歌詞に続く言葉が「Love」等の抽象的な言葉ではなく「hours」なのが好きです。「僕の時間をあげる」というフレーズ、これって、相手に対する親愛の気持ちを具体的な行動として示す、すごく地に足ついた誠実な言葉だと思いませんか?
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03. Possibility
先日のコンサートでは、キーくんがこの曲をメンバーの中でも一際幸せそうに歌い踊っていた姿が印象に残っています。「倒れても決して諦めずに、可能性を信じて走り続ける」という主旨の歌詞は、SHINeeの活動姿勢そのものだと思いました。ブリッジパートの「비로소 넌 분명 볼 수 있겠지」という歌詞を、階段を一気に駆け上がるかのような声で歌い上げるオニュさんの声が特に好きです。
04. Anti Believer
大好きな一曲です。暗くて、色気があって。不信感、孤独、自己嫌悪…そういった内面の暗い部分を歌っているけれど、それでも一筋の希望の光に自分の信じる気持ちを託す、という歌詞の構造が、オニュさんソロ曲の「Expectation」に似ている気がします。だから好きなんだろうな。サビで「Oh, my heart’s so cold 어둠에 홀로」と歌う箇所が合計5か所あるのが良いし、それを歌う順番がキー→ミノ→テミン→ミノ→オニュなのも良い。普段暗さとは無縁に見えるミノが2回歌っているのも、その声が本当に切なく哀しく響くのも良いし、それを最後に確かな明るさと柔らかさで包み込むオニュさんの声も良い。とにかく良いとこだらけの曲なのです。
良いといえば、この曲は振付もすごく良くて、苦悶するかのような仕草を見せたかと思えば妖艶で悩ましげな手つきをしたり、暗さとかっこよさと色気のメリハリがとても素敵な振付です。振付師のシュリさんによると、サビで彼らが手を上げる動きに一拍の「間」があるのは、ジョンヒョンさんの分を空けたからとのこと。2017年のSHINee公演でキッズダンサーとして出演していた彼が、変化の激しい業界において大人になっても引き続きSHINeeと一緒に仕事をしているという事実もすごいし、ジョンヒョンさんの気配を新曲の振付に忍ばせる心遣いも素敵だと思いました。ステージパフォーマンス付きでぜひ観てほしい一曲なので、先日のソウル公演のFanCam貼っておきます。youtu.be
05. 소나기 (Still Raining)
歌詞が美しいバラード。SHINeeの楽曲には、「소나기」以外にも雨をテーマにしたものがいくつかあります。「Green Rain」、「Your Number」、「透明傘」などなど。これまでの雨の楽曲がいずれも「過去」か「現在」のどちらか一方を切り取っていたのに対し、この「소나기」は、過去とそれを振り返る現在、そしてその間を繋ぐ時間の流れが線として描かれているのが非常に印象的です。振り返るに十分な長い年月を、彼らが誠実に重ねてきたからこそ歌える境地なのだろう、と想像が膨らみます。
特に、「난그냥그칠걸알아도/너와함께빗속에/뛰어들고싶었나봐(僕はただ止むと分かっていても/君と一緒に雨の中に/飛び込みたかったみたい)」という歌詞が胸に迫ります。全ては必ず過ぎていくという切ない事実も含めて愛おしむかのような視点が素晴らしいです。「HOURS」と同様、長く活動し続けているSHINeeが歌うからこそ、重みと輝きが増す一曲だと感じました。
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06. Thousand Miles Away
SHINeeのバラード曲って本当に美しいですね。一人ひとりの歌声にはっきりとした特徴があって、バラード曲では特にその声の調和の良さを堪能できる。
直前の「소나기」では過去と現在の時間の流れを歌い、続く本曲では、その時間軸が更に未来へと弧を描いていく、SHINeeの最新アルバムの結びにふさわしい美しい曲だと思いました。特にブリッジパートが圧巻。過去も今も未来も、全てを温かく肯定するかのような歌詞と彼らの声の力に、ただただ圧倒されます。
SHINeeが一千マイル先の未来に向けて空に描く軌跡を、これからも見守っていたいです。