SHINeeのデビュー15周年スペシャルコンサートムービー『MY SHINee WORLD』鑑賞の感想です。メンバー達に、そしてシャヲルたる彼女達に、SHINeeという最高最強なグループにまつわる15年分の思い出を教えてもらったひと時について記録します。映画の内容に関するネタバレを含みますのでご注意ください。
■初めに:日本の映画館で5HINeeに会える幸せ
韓国での上映に引き続き、日本でもほぼ全国の映画館で上映される今回の映画。子どもに付き合って、とかの理由ではなく自分の好みで映画を観に行くのは「シン・ゴジラ」以降8年ぶり…少し緊張しながら映画館に足を運びました。
↑ジャパニーズホラー、ラブストーリー、人気SF映画PART2とSHINeeが並ぶ誇らしさよ
↑パンフレット。MSW監督やどりあんずさん、SHINee日本語曲のプロデューサーさんのインタビューなどもおさめられている、読み応えある内容でした!
↑ミノさんが来日した時に時々食するという油そば。私自身は普段麺類をあまり食べない人間だけど、MSW初日だったこの日は食べておいた方がいい気がして食べてみた。ラーメンよりもあっさりしていていい感じ
↑2回目鑑賞で足を運んだ映画館では大きな展示もあった。素敵。あとDolby Atmosの音質が最高
■本編
①シャヲルの視点(デビュー当時からのシャヲルと思われる女性)と②SHINeeの視点(テミンミノキーくん)をはさみながら、メインは③観客たる自分自身の視点で過去⇒現在の時系列でSHINeeの15年分のコンサートダイジェストシーンをたっぷり堪能できる構成の映画でした。以下、粒度ばらばらですが印象的だった箇所です。
- 字幕が根本さん
字幕翻訳者のクレジットに「根本理恵」のお名前を見つけた時の安心感といったら!SHINeeはじめKPOPアーティストや俳優さんの通訳をされている方、という印象が私の中では強かったんですが、さかのぼれば「シュリ」等有名な韓国映画の字幕台本を沢山手掛けてらっしゃる人なんですね。根本さんが丁寧に訳してくれる彼らの言葉、あとは受け取り手である私の耳と理解力が試されるんだと冒頭から身震いします。 - ここにもえっせむ
ごめんなさい、冒頭の1か所だけ失笑しました。だって未知のコンサートムービー冒頭にいつもの黒背景&「ドゥ~~ンドゥンッッ!!!」というパンチのある音とともにSM Entertainmentのロゴがでかでか表示されるもんだからさ…。 - 冒頭の「彼女」とオニュさんの姿
映画冒頭、歴代のSHINeeのグッズが綺麗に飾られ収納された部屋に少し疲れた様子で帰ってきたヒロイン。その彼女が思いついたようにHARDのPhotobookを手にとって愛おしそうに眺めてにっこりと笑う表情がとても素敵でした。「The Feeling」をBGMに展開するオープニング映像。ONEW、Jonghyun、KEY、MINHO、TAEMIN、各メンバーの歴代のナイスショットをお洒落にコラージュした映像が次々と映しだされます。そんな彼女がフレームアウトした後の壁に大きく張られたこのDREAMERver.のポスター(いくつかあるパターンの中でもオニュさんが一番前に出てるポスター)がアップになって映画タイトル表示されるシーンに、まず少し安堵しました。現在SHINeeとして勝負しているのはこの人たちですよ、と改めて明示してもらえた気がしたから。 - 水の演出
SWⅡin Seoulの映像が流れた時に観た水の演出が印象的でした。火柱はよくあるけど水って珍しい気がする。ステージ近い人しか体感できない演出だけど、メンバーが散らす水に当たった人達は楽しかっただろうなぁ。 - ジョンヒョンさんの華と背中
過去動画で散々ジョンヒョンさんの歌を聴いてきたつもりでしたが、大画面と高音質で体感するジョンヒョンさんの歌声は圧巻でした。センターになるために生まれてきたようなお洒落で華のある声。オニュさんもそうだけど、声帯とお腹でがんばるだけでは絶対に出せない彩と深みがある声。特に映画の前半は、●●ペンの垣根を越えて、画面の中のジョンヒョンさんに恋したのはここだけの話。「透明傘」の最後にストップモーションになった彼の後ろ姿に、当時をリアルタイムで経験していない自分の胸もずんとなった。そのずんとなったことも含めて、まるで当時のコンサート会場にいるかのような環境でジョンヒョンさんに会えたことは、これまでの彼らをまた少し知れたという意味で良かったです。この人がのこした沢山の綺麗な作品、歌声、言葉、お洒落でお茶目な姿…その一つひとつの色褪せない価値を、これからも再発見し、好きを増やしていきたいと思います。 - テミン、ミノ、キーくんそれぞれの言葉
3人がシャヲルの自室風のお部屋に足を踏み入れて会話するシーン。穏やかながら重たい言葉がありました。少しでもゆっくりしてほしい、リラックスしてほしいと常々私は彼らに思っていますが、安易にそんなこと言えないぐらい熾烈な状況が今なお彼らの周りにはあることを垣間見た言葉です。その言葉は苦しくもあり、でもそうやって全身全霊で光る努力を重ねてきたからこそ今なお彼らは最高にコンテンポラリーである訳で。いちファンとして自分にできる数少ないことは、そんな彼らの全身全霊を消費している立場であることを認識した上で、あたたかい言葉で応援し続けることなのだと思う。- 「我慢できないぐらい苦しいことがあったらどう解消しますか」という趣旨のシャヲルからの質問に対してミノが「解消?」と、不思議そうな表情を浮かべた後にキーくんが「当時は我慢だよ」と、続けてミノが「解消したことなんかない」ときっぱりさっぱり言い切ってた。更にテミンは「練習室で練習することが解放だった」と。
- 「僕たちには魔の7年目(2014年)がないかわりに魔の10年目(2017年)ができた」byミノ
- 「兵役による空白期があったことは今でも宿題として残っている(≒その間に沢山の同業者が先を行っている以上、そこに追いつき最先端でいつづけるには相当に努力し続けることがこれからも必要)」byキーくん
- 「Our Page」
私には、SHINeeについてまだまだ不勉強なことが沢山あります。この曲はメンバーによる作詞だったことを今回初めて知りました。
SHINee、新曲「Our Page」MV公開…ジョンヒョンさんへの愛が溢れる手紙のような歌詞“忘れたくない” - Kstyle
2018年のファンミーティングin Seoulの映像でしょうか。会場を舞う紙吹雪、シャヲルから彼らに飛ばされた「サランへ」と書かれたハートの紙飛行機、ずっしりとしたものを内に抱えながらふりしぼるように歌う彼らの姿。兵役も間近に控えるタイミングで、この当時の彼らがどれだけの心境にあったのか…ミノが映画中言っていた通り「経験した者にしか分からない」心境だったことだけはよくわかって、胸に刺さりました。 - それでも最後は希望の言葉を信じたい
「SHINeeはここからが始まりです。信じて待っていてくだされば、新しく素敵な姿でお返しします」という、エンディングで流れたミノの言葉。恐らくSWⅥ in Seoulのメントと思われるこの言葉は、先日の東京ドーム公演の最後の挨拶でミノが話していた言葉に一致します。今までと違うことがあっても、けどSHINeeは多分これからも大丈夫でこれからも続いていくと、今回の映画の最後もやっぱりそう思えました。
■今この胸にある感覚:
最初にこの映画を観終わった時にはただただ様々な余韻と情緒が散らばる感覚だったものが、回を重ね、それは今「ゆるやかな使命感」のような感覚として自分の中にあります。彼らが「Our Page」の一節で「最後のページまで一緒に埋める」と言い切っているSHINeeという物語を、私はできることならその終わりまで長く見届け記憶し記録したいです。人より少しだけ文章を書くことが好きな自分が、15年越しでSHINeeを見つけた意味や課せられた使命がもしあるとするならば、そういうことなのかな、と。
最後に、私が先月のドーム公演の際に強く感じ今も信じていることを再掲して、この文章の結びとします。
きっとオニュさん達なら、持続可能なSHINeeのあり方をじっくり考えてそれを形にできると信じています。SHINeeの音楽活動に関わる人たちも、きっと知恵と力を貸してくれると信じています。「健康だけ回復して戻る」というオニュさんの言葉と、「ほんとうにまたオニュさんと一緒にステージに立ちたい」という弟たちの言葉を頼りに、引き続き待っています。
<追記>
SHINeeについては、変わらぬこと、変わっていくこと、まだ分からぬこと、今それぞれが色々とあります。前述のゆるやかな使命感に加えて、これからのことすべてそのままに受けとめていきたいというのが最新の自分の気持ちです。(受け入れる、ではないのがポイント。一旦この手にとってそれをじっと眺めるイメージ)。受けとめたものをそのあとどうするか、握り締めるもよし、わきに置いておくもよし、放り投げるもよし、改めて受け入れるもよし。正解かどうかではなく(そもそも自分の行動に関する選択に正解不正解はないので)、その時々の自分にとって一番心安くいられるかどうか、を大事にした選択ができますように。