こしょこしょ噺

好きなもののこと。育児のこと。あとはつぶやき。一姫二太郎を育てながらふらふら働いてます。

5歳児の大冒険前夜

上の子が保育園の離島合宿に出かけて行きました。離島合宿とは、数日間親元を離れ、同じクラスのお友達と先生たちだけで島のアウトドア生活を過ごすという、この保育園の伝統行事。島と保育園が密に連携して安全管理体制を構築していること、そして保護者側が子ども達と保育園の力を信じてゆだねていること、その双方があって初めて成り立つ、稀有な保育園行事だと思う。島の豊かな自然で力いっぱい遊ぶ経験を積むこと、その中でお友達をより一層深く知り・協力し・そして自分自身の力にも気づくこと・・・この合宿を通して意図している目的に親として強く共感するし、それらが上の子にとってよい形で達成できることを心から願います。

5歳の幼児にとっては大きな大きな挑戦であり、数日前からやや緊張した様子だった上の子。以下は、その想いが合宿の出発前夜についに爆発した際の会話録です。

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~いつものように寝る前の歯磨きを終えたその時、彼女は居住まいを正した~

娘:お母さん・・・さようなら、元気でね。

母:えっっ?あぁそうか明日から島やもんね!

(娘、突如号泣)

娘:うわぁぁぁぁ・・・お母さん、しなないでね。絶対に生きて帰ってきてねぇぇ!

娘:く、車とかに、ぶつからないでねぇぇぇ!

母:あぁ・・・ドキドキしてきちゃったんだね。そうだねぇありがとう。道の端を歩くようにすごく気をつけるね。

娘:絶対に、絶対に死なないでねぇぇぇ!!

母:うん、死なないよ。生きるよ。娘ちゃん、冒険前で大変なときにお母さんの心配までしてくれて本当にありがとう。娘ちゃんも元気に行っておいでね。

娘:うぅっ、うぅっ。

(そのまましばらく泣きじゃくり一旦落ち着いた娘。ベッドに横になったあと再び語りはじめた)

娘:はなれて島にいると、お母さんの気持ちがわからないから嫌なの。何してるかが分からないから嫌なの。その間にお母さんや娘ちゃんが死んだらもう会えないって思ったの。

母:・・・そうだね、このおうちじゃないところに行くもんね。お母さんも寂しいよ。だから娘ちゃんが帰ってくるまでは何があっても生きるし迎えに行くよ。島のお話しいっぱい聞かせてね。

娘:でも、島にはお母さんも息子ちゃんもいないしつまんないんだよ・・・

母:たしかにねー。島にはお母さんも息子ちゃんもいないよね。島では何があるんだっけ?

娘:流しそうめんとか、バーベキューとか。

母:わぁおいしそう!

娘:あーでもお魚もあるね。娘ちゃんはお魚嫌いだけど、美味しいお魚ならまぁいいや。この前の給食でねぇお魚にキノコがのったやつすごいまずかったんだけど、それより美味しいのだったらまぁ大丈夫。

(つらつら話しているうちに私のほうがウトウト。はっと目覚めると、暗闇の中でまだ彼女は目を開いていた)

娘:島のことを考えると寝れないんだよ・・・

母:そうかー。ドキドキするねぇ。もし本当に寝れないなら寝なくても大丈夫。少し目をつぶるだけも大丈夫だよ。明日船の中で寝てもいいし。寝れても寝れなくても娘ちゃんは大丈夫だよ。

(そのまま背中トントンすること数十分、就寝。)

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気持ちを受け止めるって難しい。

ただ翌朝は、夜の様子が嘘みたいにハイテンションで無事に出かけて行き少し安心しました。上の子の一大決心と緊張感がひしひし伝わる、彼女の豊かな言語表現。出発直前ではあったけど、マイナスの感情含めてはきだしてもらえてよかった。

元気に冒険して、帰っておいでね。

※数日後、よく日焼けして元気に帰ってきました!超絶楽しんできたようです。何より。