こしょこしょ噺

好きなもののこと。育児のこと。あとはつぶやき。一姫二太郎を育てながらふらふら働いてます。

人生の応援歌のようなもの②

オニュさんやSHINeeとは別に個人的な人生の応援歌がある、ということを以前のブログでも書きましたが今回その第二弾です。実は10年ほど前の一時期、光GENJIの歌に心を救われていたことを最近思い出したので記録します。
理不尽とも思えることが次々に起こって、心が少し途方に暮れてしまうような時、翻訳時間0秒で隣に寄り添ってくれる一曲。

光GENJI 風の歌声に耳をすまして(1994)

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この歌に出会った時の自分は、平日は営業職としてそれなりにドタバタ仕事をする傍ら週末には関東と関西を行き来しながら親の介護を行っていて、それなりに疲弊していました。そんな私にとって貴重な癒しになっていたのが、親が寝静まった後に夜な夜なYouTube光GENJIの動画を観ること。世代的にドンピシャという訳でもなく、なぜ私が光GENJIのコンテンツに行き着いたのかは今でも謎です。でもとにかく、20年以上前の古びた映像の中でキラキラ輝く彼らが全力で歌い踊る姿を観る時間が、当時ほぼ唯一の息抜きの時間だったと記憶しています。時間もお金もない上にそもそも光GENJIはとっくに解散していたので、がっつり推すことはしないまま半年間ほどでブームは収束しましたが、今にして思えばあれは私にとっての推し活のはしりだったのかもしれません。

中でも今回ご紹介する「風の歌声に耳をすまして」は本当にシンプルな日本語の歌詞が心に刺さり過ぎる、大好きな一曲です。以下、特に心に残っている箇所中心に紹介します。

眠れないこんな夜は 星をみつめていたい
いろんなことがあって 小さく見えない星でも
かげりゆく街の中 行くあてのない想い
こんな時にも風の歌は 低く流れていた

おかげ様で当時の家族は全員それぞれの場所で安定し(父も数年前に他界するまでは施設で穏やかな時間を過ごしました)、私自身は夫と子どもと新しい家族を築くことに挑戦中です。当時のように親の生死を日々心配したり、先の見えない介護に気持ちを張り詰めることは一旦なくなりました。ただ、今は今で自分の力だけではままならないことや理不尽とも思える出来事に直面することは時々あります。この歌詞の、途方に暮れてしまいそうなその心をまっすぐ投影できるところ、そして、心が夜に堕ちそうな時でも変わらずそばにいる優しい存在を示唆してくれているところが大好きです。

遠い夜明けを
待っている僕たちも
弱い存在 すぐ落ち込むけど
人は誰も
生まれたわけがあるはずさ
愛する人を見つける力が
あふれるから

※歌詞はすべて以下サイトより引用しています

https://www.uta-net.com/song/64768/

「明けない夜はない」等々無理に前向きにさせるのではなく、「夜明けは遠い」という感覚をちゃんと認めた上で、自分の弱さを赦してくれているかのような、そんな優しさに満ちた歌詞だと思います。

推しに対する好きの力は、その他の事象に対する好きの記憶やその気持ちの源泉に対する解像度までもどうやら呼び起こして高めてくれるようだ。そんなことに気づく、夏も終わりのある日。

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