こしょこしょ噺

好きなもののこと。育児のこと。あとはつぶやき。一姫二太郎を育てながらふらふら働いてます。

オニュ 1stソロ・ミニアルバム『VOICE』:どこを向いていても、やっぱりその声を聴いていたい

オニュさんのソロアルバムのレビューを「Circle」→「DICE」と、リリース順とは逆走してこれまで書いてきました。今回はオニュさん最初のソロアルバム「VOICE」について全曲レビューを書きます。シンプルだからこそ何度でもそっとひらきたい、オニュさんの声の小箱に贈る言葉の記録です。

※白色ver.だけかろうじて入手したよ!

■はじめに:

オニュさんのソロアルバム三作品のうち、今回のVOICEが一番書くのが難しくて、時間がかかりました(2022年秋頃から試みてはいた)。このままでは書かずじまいになるという危機感から、現Xで唐突に書きます宣言する程度には、書けませんでした。

たぶんVOICEのレビューが難しかった理由は一番時間的距離があいている作品だということと、音楽番組やカムバにあたってのインタビュー/Behind等のVOICE関連コンテンツが他の二作品に比べて少なく、いつも私がアルバムのレビューを書くときに手掛かりにしている各種情報が少なかったからだと思います。(レビューを書くにあたって初めて知ったことですが、VOICEは音楽番組での活動無し&アルバムリリースの5日後にオニュさん入隊だったんですね。)

そこで今回は、曲を耳で聴いた感想+O-NEW-NOTEで実際に目で見て聴いた感想などを頼りに各曲へ一言ずつ言葉を添えることにしました。アルバムジャケットに記載された、以下のオニュさんメッセージをかみしめながら。

SINGING BRINGS ME GREAT HAPPINESS. I TRIED TO SING HOPING THAT THE SONG COULD BRING HEALING TO PEOPLE WHO LISTEN TO IT. IN MY OWN VOICE. WITH MY SONG. FOR THE SAKE OF EVERYONE'S HAPPINESS.

01. Blue

何度聴いても、いまだに大きな衝撃を受けるタイトル曲。最初にイントロを聴いた時は、そのあまりの衝撃に一度音を止めてしまい、そこから通しで聴けるようになるまでずいぶん時間がかかりました。それぐらい、他のオニュさんの曲とは全く違うものを感じた一曲です。他の曲がパラドンパダの穏やかな日中の海、あるいは静かな夜の海を背景にオニュさんがシャヲルの方を向いて歌って聴かせる曲だとするならば、Blueは誰からも背を向けたオニュさんが、大荒れに荒れる昏い海に向かって独りで絞り出すように叫ぶ曲、なイメージ。もし私がVOICEリリース当時にオニュペンだったとして、入隊5日前にこの曲を初めて聴いたら、はたしてうまく立っていられただろうか?笑顔で入隊を見送ることができただろうか?
あくまで「聴く人の幸せ」を願う想いを込めたこのアルバムのタイトル曲として、どうしてここまで重たい曲を選んだのか、今でもまだすっきりした結論は自分の中で出ていません。ただ、陽だまりの中優しく歌うようなオニュさんも、独り心の深淵に立ち叫ぶようなオニュさんもどれも真実、どれもその当時のありのままのオニュさんで、入隊前の一区切りとしてそれらを飾らず率直に見せようという決意のようなものを、アルバム通しで聴いた時に私は受け取りました。そしてもう一つ確かなことは、代々木のO-NEW-NOTEでアカペラでワンフレーズだけ聴いたBlueの歌声は、それはそれは素晴らしかったということ。ぜひオニュさん復帰後の現場でBLUEをフルで聴き、今のこの感覚と突き合わしてみたいです。

02. 거리마다 (your scent)

歌詞だけ読むと失恋の歌のようにも受け取れますが、オニュさんはO-NEW-NOTEの最後のメントでこの曲のことを、「楽しく遊んでいたら夕方になって、もう帰らないといけないけどまだ帰りたくない、みたいな歌(うろ覚えです、、)」という主旨で紹介していて、個人的にもその解釈がしっくりくる優しい音の曲です。代々木のライブがこの曲で終わってしまうはずなのに、なぜかその時は寂しい気持ちは全くなくただただ幸せな気持ちでいっぱいだったことを、まるで昨日のように思い出します。

03. 동네 (Under the starlight)

Timepieceと並んで、オニュさんのバラード曲の中でも私が大好きな一曲です。バラードだけど後半に向けてどんどんどんどんオニュさんの声の力が増していって完全にのみこまれるような曲。オニュさんの家族やご友人、チームメンバー、そしてたぶんシャヲル…彼にとっての大事な人々との「ラブソング」だと思っています。

04. 어떤 사이 (Sign)

チョアヘ♡とびきり可愛らしい一曲。これを聴くと、O-NEW-NOTEで花かごを持ってルンタルンタするオニュさんの姿が脳内で自動再生される一曲です♪きっとオニュさんはどれだけ歳を重ねても、この初々しい世界観を初々しいものとして、素敵に表現し続けられる気がします。

05. 사랑이었을까 (Illusion)

オニュさん作詞の一曲!心地よいあたたかい音とは裏腹に、「あれは愛だったのかな?(幻?)」と過ぎ去った人をしのぶ哀しい世界観の歌詞でした。過去の恋人めいた誰かのことなのか、あるいはジョンヒョンさんのことなのか…いずれにせよ、この歌詞を書いた時のオニュさんは決して楽しい気持ではなかったのかなと。そんな心象風景も含めて美しくて心地よく響く歌に昇華できるオニュさんは(それが彼にとって良いことなのかそうでないことなのかは分からないけど)、やっぱり天性の歌い手なんだと、そう感じる一曲です。

06. 온유 하게 해요 (Shine on you)

Illusionに同じく、オニュさん作詞の一曲!曲名に堂々とダジャレを掲げているのがとてもオニュさんらしい(?)一曲です。今年のピチナ芸術祭でオニュさんがこの歌を歌っていたことからも、この曲は明確にジョンヒョンさんに宛てた曲なのでしょう。VOICEの曲の中で、Shine on youの歌詞だけヘヨ体(丁寧語)が使われているのも、彼へのリスペクトが表れているようで、印象的です。
※とても丁寧に翻訳&編集してくださっているシャヲルさんの動画を、貼らせてもらいます。


www.youtube.com

07. 또각또각 (Timepiece)

オニュさんのバラード曲の中で、私が一番最初に好きになった一曲。トガトガ(カチコチ)という可愛らしい響きと、オニュさんのあたたかい声と、「君は忘れてもいい、僕がずっと記憶するから」と言いながら、最後の最後に時計の針に「逆に回って、初めて君と出会ったところで止まっていて」と願う歌詞が切なくて切なくて、大好きです。
O-NEW-NOTEのバラードセクションでこの曲を歌ってくれた時は本当に嬉しくてじんわり泣けてきたし、2021年のセンパ動画(下記参照)でオニュさんがカジュアルな雰囲気で歌ったTimepieceも素敵だったな。

youtu.be

■おわりに:

2021年のセンパ動画の中で、オニュさんはTimepieceを歌う前に「上手に歌えるようになりたいですね」と、冗談とも本気ともとれるあいまいな表情でつぶやいていました。その後2022年のDICEで華やかにソロカムバして、LGOでより楽な気持ちで人々に聴いてもらえるようにと敢えて歌い方をがらっと変えることにもチャレンジして、2023年には更にゴージャスで唯一無二なCircleへと進化して…そして?

これから先オニュさんが再び歌おうと決めたとして、その心にはどのような欲があるのでしょうか。
それがどのような形であっても、やっぱり私はオニュさんの声を求めずにはいられないと思います。今はっきりしているのは、少なくとも私自身の欲はそういう内容であるということ。

静かにゆっくりと、でもこれまで以上に深くその日を切望する気持ちでいる、VOICEとともにいる2023年の年末です。