こしょこしょ噺

好きなもののこと。育児のこと。あとはつぶやき。一姫二太郎を育てながらふらふら働いてます。

だから今日も君に

私には、おぬさんと同世代の、すごく頭が良くて友達に愛されている弟がいる。生まれ育った家庭内の治安があまりよろしくなかったこともあり、私にとっては家族と呼べる数少ない人であると同時に子ども時代を一緒に生き抜いてきた大事な戦友。そんな弟からある日チャットが入った。

「ちょっと調子がよくないから、入院してきます」

私はいつものように返信した。

「分かった。気をつけて行ってきてね。手続き書類はこっちに送って」

彼からはすぐ返事があった。

「今回は予防だからそんなに心配ない。書類は自分で書く」

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彼はもう10数年以上、とある病気とお付き合いしている。詳しくは書かないけど、ジョンヒョンさんも苦しんでいたと噂されているあの病気。今まで何度も悪化して、極端な選択をしかけて、そのたびに彼の友人や医療福祉関係の方々に沢山沢山助けてもらって今日に至っている(この記事以外で今後書くことも言うこともないと思うけど、私がしゃいにを放っておけない感覚になるのは、そういうことも関係しているのかな、とも思う)。グループホームを検討した方がいいのでは、とか、いっそ私と同居したらどうか、とか、色々な選択肢を検討したけど、結論、彼は地域の医療福祉のサポートを受けつつちゃんと一人暮らしをしている。自分の限界地点の3歩手前を自分で察知して今回のように対処できるようになったのは、この10数年間の大きな進歩だと思う。偉い。
結局は彼の心身は彼だけのものだから、私はこれからも、それに対して何のコントロールもできないと思う。できる限りのサポート体制は組んだ上で、それでも結局は彼の選択に対して自分は無力だということを認識した上で、「お互いにほどほどに健康でいようね。困ったことがあればどんだけやばいことでも私は驚かないから早めに相談して。早ければ早いほどよい対策が打てるから。今日もここにいてくれてありがとう」を繰り返し、繰り返し言葉にして伝え続ける日々だ。

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数日後、弟からまたチャットがあった。

「退院しました。病院から歩いて帰ります」

私は少しほっとして返信した。

「お疲れさまでした。車に気をつけて帰ってね。家についたらよく睡眠とってね」

こうしたイベントはさみつつで全く構わないから、彼もまたそれなりに健康でこれからも生きていってくれますように。