こしょこしょ噺

好きなもののこと。育児のこと。あとはつぶやき。一姫二太郎を育てながらふらふら働いてます。

O(Circle)のMood Sampleに登場したアレを読む~「Surviving the Applewhites」レビュー~

今更ですが、O(Circle)のMood Sampleの中でも「Wind」の清涼感たっぷりの、夏の世界観が大好きです。ふわふわの髪に透き通った瞳の少年みをただよわせるオニュさん、とってもよき。

あっごめんね起こしちゃったね。(←何を言っているのか)

※上記画像は全てお借りしています。

ところでWindの少年が読んでいたこの本、実在する児童書なのはご存知でしょうか?調べてみたら、「ニューベリー賞」という、アメリカでは最も歴史ある児童文学賞を受賞した、それなりにポピュラーな児童書のようです。歴代の受賞作品だと、「ドリトル先生航海記」とかも受賞してます。

ニューベリー賞受賞作品(2000年代)リスト

なんとAmazonで普通に買える笑。Windの少年があてもなくぱらぱらとページを捲っていた本には一体何が書いてあったのかを知りたくなり、買って読んでみることにしました。

TwitterのTLでは、「ONEWNOTEの香水」とか、「CHANELのリップバーム」とか、オニュさん関連の素敵な品名が名を連ねていたちょうどその頃、この本は届きました。以下ネタバレ&超絶意訳のレビュー記録します。

■「Surviving the Applewhites」あらすじ

「札付きのワル」とされている少年Jakeと、Jakeが出会う超個性派ぞろいのApplewhite一族の中で唯一超堅実でまじめな少女E.Dが主人公の物語です。ある日学校に放火したという噂がもとでJakeは地元のスクールを退学となってしまい、唯一の身寄りである祖父のもとへ身を寄せます。(Jakeの両親は大麻栽培の罪で収監中!)しかし、どの学校も彼の噂を恐れて転入を拒み、困った祖父はご近所でホームスクールを運営するApplewhite一家にJakeを任せることにしました。

Applewhite一家は超個性的なメンバーぞろいの一族です。唯一、少女E.Dを除いて。家具職人の祖父、同じく家具職人の伯父、舞台監督の父、小説家の母、スピリチュアルへの造詣が深い詩人の伯母、美人ダンサーの姉、引きこもりの絵描き兼彫刻家の兄、自由奔放で歌が大好きな弟・・・そんな芸術的才能に恵まれた家族の中で少しの生きづらさを抱えながらE.D.自身もホームスクールに身を置き、自分でテーマ設定した探求学習(チョウの研究)にこつこつと取り組む日々です。そこに突然現れたJakeに最初は反発しながらも、JakeとE.Dは少しずつ打ち解けていきます。

~中略~

そしてひょんなご縁で、E.Dの父が監修する「サウンドオブミュージック」の舞台をApplewhite一家総出で創って上演することに。(超わがままなE.Dの父に愛想をつかして舞台スタッフが全員辞めちゃった!)。なんとJakeも歌の才能を見出されてキャストとして出演し、E.D.は実務スキルを買われてステージマネジャーに抜擢されます。スタッフが辞めて再始動してから実質2週間程度で完成&異色の演出とキャスト満載の「サウンドオブミュージック」の舞台は大盛況のうちに幕を閉じます。そして舞台を創る過程で、JakeとE.D.は自分自身も知らなかった自らのよい一面を知り、生きる楽しさに気づくのでした。

■感想と、Windの彼とのつながりめいたもの

全30チャプターのこの物語は残念ながら日本語未訳(ぜんぶ英語)だったので、我が家の辞書と翻訳アプリと仕事で英語使ってた時の記憶を併用しながらすこーしずつ少しずつ読みました。

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動物含めて主な登場人物が22名も出てきてひえぇとなったので図示した笑。

当初は「海辺のカフカ」ばりに闇を抱えた少年に焦点をあてるかと思いきや、彼が出会うApplewhiteの人々が彼を軽く上回る強烈な個性の持ち主ばかりで、でもなんだかんだ打ち解けて「サウンドオブミュージック(!)」を上演して大団円を迎えるという予想のはるか斜め上をいくストーリーに、いつの間にかオニュさん抜きにして没頭して読み進めていました。一見奇抜なエピソードが続きますが、物語の落としどころとしては、何かしらの生き辛さを抱えた繊細なティーンが、ちょっと風変わりな大人との関わり合いの中で自分のよいところを見つけて、今までより少し生きることに愉しさを見出していく、という若いひとにとっても支えになるかもしれないストーリー展開の良書だなと感じました。

Mood Samplerの映像の中で、どこかアンニュイな表情を浮かべていたWindの彼(たぶんティーン設定)。そんな彼にとっても、この本はちょっとした非日常の旅に連れ出してくれるとともに、まだ見ぬ自分の可能性を信じさせてくれる一冊だったのかもしれません。あくまで私の想像やけど、ね。


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