先日オニュさんが出演した対談型音楽番組「POPOUT RADIO」を観ました。番組時間58分21秒。こんなにも長い時間、オニュさんがSHINeeのことやソロアーティストとしての創作活動のこと、自らの音楽観や自己分析に至るまで語ってくれたコンテンツを私は観たことがありません。ホスト役のph-1さんもすごく素敵な方で、自分自身もアーティストだからこその深い質問を投げかけたり、オニュさんらしい(?)ふわっとした抽象度の高い答えに対してもそれを上手にまとめて投げ返したり、二人の会話のキャッチボールがとても心地よいテンポで行われているのが印象的でした。対談内容で面白いと思ったことをメモしていたら毎度ながらすごい量になったので以下記録します。
R&Bはじめとするブラックミュージックを好んで聴いていた経験から得たこと
🐰SHINeeのデビュー曲は「Replay」はダンスミュージックでありR&B調だったこともあり、自分がR&Bを聴いていた時に得た要素を沢山表現できました。
🐰最近改めてR&Bの曲を聴いて、その正直な歌詞に感銘を受けました。その影響で、「私も自分の生活に溶け込んだものを歌詞にできないか?」「私が想像する何かを、自分自身の経験を通して解き明かせないだろうか?」ということを最近もよく考えています。
最近よく聴く曲は?
🐰Lucky Dayeの「Candydrip」です!メロディがよくラップのグルーヴ感も良いです。アルバムを全曲通して聴くとまるで一つの曲をはじめから終わりまで聞いたような気持ちになります。
(トップライナー(詞も曲も制作する人)としてよいトップラインをつくるために「森(全体)」をよくみるようにしている、と番組で発言したオニュさんに対して)その発言を深堀りすると?
🐰自分のアルバム制作時はできるだけ全行程に関与しています。制作チームと会話するにあたっては音楽に関する明確なアイデアが必要になるので、音源をじっくりと聴くようにしています。(それは簡単ではないし、トップライナーとして活躍されている人のことを本当に尊敬しています。)
過去のオニュさんのインタビューを読むと、「自分の歌に満足していない」ということを繰り返し発言している。どんな点に不満が?
🐰満足の基準は私自身ではありません。ボーカルについては、これまで私が聴いてきた先人達(ボーカリスト)が基準です。それを越えることは本当に骨が折れるしだからこそそのための努力を妥協せずにしています。できなかった時は何日も悩みますね。
自分の声のトーンを正確に把握するヒントは?
🐰それを具体的に伝えるのは難しいです。表現したい音楽のために必要な音があれば発音を勉強したりすることもありますが。試して、記録して、「音に角度をつけるか?細くすべきか?太くすべきか?」などなど検討する、抽象的な作業なんです。
オニュさんは緊張しい?
🐰はい。すごく。人前に出ると少し疲れる傾向があるので…でも最近気に入っているのは「ステージ上では自分が一番」という周囲のアドバイスもいいけど、まずは自分を知って自分について考えることです。誰かに影響を与える前に、自分自身を第一に考える必要があると思います。だから、休むときはしっかり休みます。
確かに、他人の視線が第一になってしまうことってありますよね
🐰はい。それが大変だった時期もありました。常にいい影響を周りに与えなきゃと思うあまり「幸せになって!」とばかりファンに言い続けた時期がありました。でも、私は自分の幸せを見つけていたかといえばそうではなかった。だから最近は、「幸せになって、私も幸せになろう。」と言っています。
オニュが見つけた独自のサウンドは?
🐰緊張してるけど、リラックスした口調(!?)笑。
リズム感を重視した曲のレコーディングで意識していることは
🐰頭の中でメトロノームを鳴らし続けています。頭の中で常にリズムを16ビートに分解して考えています。(指でこつこつ足を叩いてやることも!)
SHINeeの制作ではディレクションが厳格だったのではと思いますが実際はどうでしたか?
🐰1枚目、2枚目のアルバムは演出がすごくしっかりしていました。それ以降徐々にメンバーの色が取り入れられるようになったと思います。4枚目のアルバムあたりで、メンバーのジョンヒョンが特に作曲に関わるようになり、他のメンバーは作詞に関わるようになった。「We're SHINee」をみせようとしました。
「HARD」などの強めの曲を歌う時に意識することは
🐰「撃つ」ようにしています!「あー!」って。「あぁぁ~」ではなく笑。
SHINeeの制作活動とオニュさんについて
🐰SHINeeの曲作りにはなるべく関与しないようにしていました。SHINeeは自分がつくったものではないし、自分のやりたいことを押し込んで「SHINeeだ」と言いたくはなかったんです。
ソロアルバムの曲の中で思い入れのある曲は
🐰荒唐無稽な歌詞が好きです。「In the whale」というクジラの中に入る歌とか、そういうものを表現したいです。
その歌は何の比喩ですか
🐰クジラの中にいる状態と言うのは想像してみることしかできないですよね。そういった経験をきれいな方法で解決できないかと想像したんです。じめじめして水気が多いところで…
あなたは本当にユニークな人ですね(穏やかなほほ笑み)
🐰他の人がやらないことをやるのが好きです笑
ソロでの活動は寂しいですか?
🐰寂しいです。収録の時にメンバーがサプライズできてくれたことがあって泣きました。私は自分を責めがちなので、ステージを降りた時に、ステージでうまくできなかったところがあると延々と自分を責め続けることがありましたが、メンバーがそれをうまく中和してくれていたというか。ソロではそれができませんが、昔よりかは立ち直りが早くなったと思います。同じような状況になったら、周囲の人に「ちょっと待っていてください」と言って5分間くらい暗い顔で座り続けていたこともあります。それで、「よし、次のことをしよう!」と。
「Circle」について
🐰「みんな幸せになってね」というメッセージの曲です。円は丸く循環し続けます。良いことも悪いことも悲しいことも、出会いも別れもいろいろと回り続ける。今でもその循環について考え続けています。だから、悲しいことがあったとしても少し経てば大丈夫だよ、と言いたかったんです。
多くのストレスにさらされている人にヒントをいくつかください
🐰自分第一に考えるのが正しいと思います。あなたがいないとこの世界は存在しない。自分よりも隣にいる人が大切だと思っていても、自分と同じくらい大切にできればそれが一番いいです。自分以上に大切なものはないですが、私は時々それを見落としてしまいます。みんなこの世界でとても大切な人達です。
「Circle」のエピソード
🐰ガイド音源を聴いた時に頭の中に絵が浮かびました。太陽の光をうけて、沢山の経験を積んだ人のイメージです。顔全体が影に覆われながら、一筋の光を受けているような。その「一筋の光」をどう表現しようかを考えるところから、先ほどお話しした循環のメッセージに辿り着き、歌詞・曲・MV・振付全ての下書きを行いました。
🐰軽めのトーンで歌うことに挑戦しました。例えばCircle冒頭の「영원히 태양 바람 구름 비와 바다로」のところ。文脈自体を簡素化し、軽い気持ちで聴けるように挑戦しました。
🐰Circleの制作活動を通して、自分は多くの人に良い影響を与えられることに気がつきました。SHINeeとして多忙に過ごした時期と今では質感が違います。
ソロアーティストとして新しくスタートを切るにあたって
🐰最初は不安がありましたが、結局行うことはシンプルで「やりたいことをうまく表現すればいい」と思っています。今本当に幸せだと思います!
最後に。SHINeeとして、オニュとしてどのようなアーティストとして記憶されたいですか?
🐰私たちのあるいは私の曲を聴くことでなぐさめや癒しになればと思います。私たちの音楽を聴き、姿を見た時に「この世界は、まだ生きる価値がある」と感じてもらいたいです。
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オニュさん不在の300日間に読み漁った、彼の過去のインタビュー記事やコンテンツや泡の言葉…それら一つひとつがつながって、答え合わせができたような一時間でした。「幸せになってね。私も幸せになろう」そして「今は本当に幸せだと思います」という、今のオニュさんから最も聴きたかった言葉が聴けて私は嬉しい。
今日からいよいよ始まるファンミーティングがすべてうまくいきますように。オニュさんにとっての、良い弾みになりますように!!!!!