こしょこしょ噺

好きなもののこと。育児のこと。あとはつぶやき。一姫二太郎を育てながらふらふら働いてます。

気になり続ける存在、彼岸花

今日も下の子が発熱し早々にお迎えへ。子どもたちを自転車に乗せ、まだ明るい街中をぼぅーっとこいでいると道端に彼岸花が咲いているのを見つけた。やぁ、今年も会えたね嬉しいよ。

基本的に、植物は手に入れて家で育てるよりも野に咲く花を愛でていたいと思う人間です。中でもこの季節にあちこちで咲いている彼岸花は私にとって特別。彼岸花の装飾品めいた見た目が好きということもあるんですが、その少し風変わりな生態が昔から好きです。

開花時期の9月になると思い出したように地面からいきなり茎だけ伸びてきて開花し、10月以降花と茎が枯れた後に葉っぱだけざっと生えてくる。葉っぱだけの時期は地味すぎて彼岸花だと気づかれない。冬は球根に身を潜める‥小学生の時に塾の授業で彼岸花の解説を聴いた時の衝撃は忘れられません。わざわざ花と葉っぱを別時期に生やすという、一般的なお花とはちょっと距離があるところとか、華やかな開花期はほんの僅かで、あとはひたすら地味に、誰にも気づかれにくい姿となって暮らす生き様に、当時から生き辛さたっぷりだった自分はおこがましくも親近感と憧れをおぼえたのです。もし花を咲かせることができるのなら私もかくありたし。地味であることを恐れるな、その時に備えよ、と。その気持ちは、今も大きくは変わっていないのかもしれません。

今年こそは、葉っぱだけの姿となった彼岸花を見つけて、きちんと愛でようと思います。